

雨の日の不思議

雨が降る時期になり、『前と違う』『これって何だろう』と、子どもたちの気付きや考えが深まってきている場面に出会いました。
屋外遊戯室で遊んでいるときのことです。滑り台を滑っていると、「いつもより遅い」「途中で止まっちゃった」と話し、木の滑り台の滑り具合が変わることを感じていました。滑り方を見ていると、太ももをつけないように少し足を浮かせたり、膝を曲げたりしながら滑り、どうするとより速く滑ることができるのか工夫しているようでした。
また、遊んでいる中で強い雨が降るときもありました。雨の音が大きくなると、いつもと違う周りの様子にワクワクした表情を浮かべていました。手を伸ばすと雨に手が届きます。ある子が、近くにあった丸太に手を押し付けると、手形が綺麗につきました。周りで見ていた子どもたちも『面白そう』という様子で集まってきます。沢山の手形ができていくと、「ここ、さっきまで手形があったのに消えてる」と不思議そうに呟く子がいました。他の場所に比べて色が薄くなっている場所があることを見つけました。そして、「どこにいったんだろう」「雨だから空にいったんじゃない?」とどうして手形が消えたのか考えているようでした。
自分で感じること、気付いたこと、思ったことを言葉にして伝える力もついてきていると感じます。これからもどんな不思議を発見していくのかとても楽しみです。一見すると日常の一コマですが、運動遊びも科学の発見も、仲間とのやりとりも言葉での伝え合いもあります。
〔今月の保育の評価・反省〕
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ロッカーを確認する時間を設けたことで、足りない着替えを確認したり、畳んでしまったりすることができるようになってきました。着替え、準備物等を自分で用意しようとする気持ちにもつながりました。
(佐々木 理乃)

そうだ。かさ作ろう!

『にほんのこころプロジェクト』の時間に茂木先生と一緒に『だから雨ふり』という歌を歌いました。かえるやアジサイ、黄色い長靴が雨を待ちわびる歌です。歌の中のストーリーが子どもたちは気に入って繰り返し口ずさんでいました。
ある雨の日のことです。部屋で遊びながらピアノの周りに集まり数人の子が『だから雨ふり』を歌い始めました。傘を差す真似をしながら楽しく歌ううちに「そうだ。かさつくろう」とひとりが言いました。するとまわりの子も「いいね。つくろう」と相談が始まりました。「おりがみかなあ?」「それじゃあさ、小さいよ。すぐこわれるし」「がようしは?」と画用紙を手に持って見ますが「ふにゃふにゃだなあ」とつぶやきます。すると「先生に『かたい紙で切って』ってたのもう」と決まり私の所へ来ました。それから数人と相談しながら傘の形を決め硬い紙を一緒に探しました。「硬い紙は切れないから切るのは先生お願いね」と言って私が傘の形に切り終わるのを待つと、順番に受け取り自分の好きな材料を使って傘を作り始めました。好きな模様を描いたり、様々なシールを貼ったりしながら作ったそれぞれの傘はどれもみんな素敵でした。「わたしも」「ぼくも」と傘作りを楽しむ子は次々と増えていきました。
そして「せんせい、また歌おう」と、自分で作った傘を持って振り付けをしながら楽しい音楽会が始まりました。
ひとつの歌からこんなにも楽しむことができる子どもたちの姿に成長を感じて嬉しくなりました。
〔今月の保育の評価・反省〕
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自分の好きなことにじっくり取り組む時間が多くなりました。また他の子と関わり、教えたり教えられたりする姿も多く見られるようになりました。
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水遊びの準備や片付けを考えながら行っています。順序よくできるようになってきています。
(宇都宮 美代子)

「やってみたい」は連鎖する

六月から屋外遊戯室で遊ぶ機会が増え、今では年少児のお気に入りの場所です。その中にある雲梯での出来事です。
六月下旬に、雲梯の上をはしごのように渡ることができた子がいました。その子の様子を思い出した子が「私も△△さんみたいに登りたいの」と言って雲梯の上に片足をかけ、そのまま降りてきました。今度は両足をかけて雲梯の上に座ってみました。「高い~!」と言って少し驚いた様子。もう一度登ると雲梯の上で四つん這いになりました。私が「登れたね、すごい!先生下から見ているよ、進んでみる?」と聞くと「行きたいけど怖いの~」と雲梯にしがみつきました。ところが、震えながらも降りてこようとはしません。私が「無理しなくてもいいんだよ」と話しかけると「でもやりたいの!」と答えました。恐怖心との葛藤が続きます。緊迫した現場に気付いた子たちが集まり、心配そうに見守ります。しばらくして私が「それじゃあ進んでみる?先生ずっと見ているから大丈夫だよ」と言葉をかけると、遂に前へ進み始めました。雲梯の中央まで来ると「私もう怖くないよ」と得意げで安心したような表情が見られました。
あっという間に端に辿り着き、無事ゴールすることができました。降りてくると「私最後までできたよ!」と言って飛び跳ねながら喜びました。また周りで見ていた子どもたちも「○○さんすごい!」と拍手で迎えてくれました。その直後です。「わたしもやってみたい」、「わたしも」と言うと、子どもたちは次々に登り始めました。一人の「やってみたい」が「できた」に変わり、その姿を見て、また新たな「やってみたい」に繋がる瞬間でした。
〔今月の保育の評価・反省〕
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着替えの際に衣類の名前を一緒に確認してきたことで、自分で名前を見つけて脱ぎ着しようとすることが習慣づいてきています。これからも記名の確認を子ども達と一緒にお願いします。
(和賀 和香菜)

素敵な姿

梅雨が明けて、気候の変化を大きく感じる季節になりました。むつみこども園での生活が始まってから三ヶ月が経ち、一日の流れも分かってきた様子です。
ままごとで遊んでいた時のことです。子どもたち同士でチェーンリングやままごとをおたまや箸で移していました。移し終わると「いっぱいですか?少しですか?」という声が聞こえてきます。少しはずかしそうに聞く子や嬉しそうな表情をしている子などその時の子どもの様子はいろいろです。また、相手の返事を待っている時の子どもたちの笑顔からは、『なんて返事がくるのかな?』とドキドキワクワクした気持で期待が高まっているのが伝わります。「いっぱい!」と答えると、「わかりました」と。また、受け取った料理をテーブルに持って行きます。食べ終わると「おかわりください」「お待ちくださいね」などと遊びの中で子どもたち同士でやりとりをすることが多くなりました。
むつみこども園に来て四月当初は話しかけられても緊張していた子どもたちでした。それでも何度も優しく話しかけてくれる年長児に少しずつ安心感が生まれ、今では真似をして遊びに取り入れるくらいあこがれています。そんな子どもたちには、年長児はとても頼れるさらに尊敬できる存在で、「年長さんってかっこいいな」「素敵だなあ」と強く感じる瞬間でした。
これからも憧れの存在、年長児との関わりの中からいろいろな気持ちを持つことを大切に見守り、やりとりを一緒に楽しんで いきたいと思います。
〔今月の保育の評価・反省〕
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自分でやってみようとする気持ちを尊重しながら見守ったり時には、手伝ったりしています。やろうとする意欲が高まりすすんで挑戦することにつながっています。
(髙橋 彩夏)
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-20
電話番号 / 0182-33-2777
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)