4月24日、天気は良くなかったのですが、年長の子どもたちが、消防署などがある条里の桜並木が満開ということでお花見に行きました。出発前に合羽を着たり、担任と散歩コースやルールについて話し合ったりして勇んで出かけました。
お昼すぎに「疲れた」「桜きれいだったよ」と口々に言いながら喜んで帰ってきました。どの子も疲れたと言いながらも満足した表情でした。
ところが、その日の午後に電話番号非通知で匿名の女性の方からご連絡をいただきました。
「園長先生は、ご存じなのですか⁈ 」から始まった電話の中身は、おおよそ以下のような内容でした。
・子どもたちをあんなに歩かせて行くのはどうだろう。
電話をくださったその方が、車で走行中に園前の国道を横断してるのを見かけた子どもたちと同じ子どもたちが、ご自身が買い物を終えて条里を走行中に歩いているのを見かけたようです。
・20人くらいの年少児(年長児の間違い)に引率が職員一人とは考えられない。少なくとも後ろにもう一人は必要だろう。
・職員が、一番前を歩いていて、後ろの子たちを振り向きもしない。子どもたちは職員についていくのがやっとのようだ。
他にもいろいろとおっしゃられておりましたが、おおむね上記のようなご意見でした。
内容はともかく私どものことを気にかけてくださり、ご心配くださっていることには本当に感謝いたしました。地域の方たちに子どもたちも私どもも育てていただいていることを実感いたしました。
どのようにお答えしようかと思い悩んでおりましたら、ご自分も子育てに関係している、保育関係者(?)のようなことをおっしゃられたので、じっくり説明させていただこうと思いました。ところが、お話しさせていただいているうちに、なぜか私が男性だから気づかないのだと言われ、自分は、今も市の子育て支援課に関係しているので、このままにはしておけないから課の方に連絡して指導してもらうような話をされ、一方的に電話が切られてしまいました。
十分な説明をさせてもらえず残念でしたが、一応、子育てに関係しているという方からのご意見なので、もしかしたら同じように心配されている方々もおられるかと思い、私どもの考え方を説明いたします。
園外での活動が、市内のどこの園よりも私どもの園は、量、質ともに多いと思います。季節を問わず、ほぼ毎日のようにどの年齢も外での活動をします。
園外活動の中で『散歩』も重要な活動です。
・やっと歩き始めた乳児保育園の子どもたちから年長児まで、その発達に応じた散歩の仕方があります。
※歩行能力の到達度、習熟度によって使用する備品の有無、引率する職員の数、列の作り方、人数等異なります。
・年齢によって散歩の距離も違います。
※仁坂児童公園、朝日が丘西山児童公園、赤坂総合公園、ふるさと村、生の森公園(三十三観音)etc.園からの往復約1.5㎞から約6㎞
・目的によっても散歩の仕方が違います。
※目的地を決めそこに向かっていく散歩、何かテーマを決め(例えば、交通安全の実地指導、道路のごみ拾い、季節の違いに気づくetc)散歩、周辺の探索活 動を目的とする散歩、歩き方そのものを学ぶための散歩等目的により散歩にも 色々あります。
具体的にどのようにしているかということは、それぞれ違いますので、お子さんにどんな所にどのように行ったかを聞いてみてください。お子さん自身がどのように思っているかよくわかるかと思います。そしてその内容をどうぞ私どもにもお知らせください。私どもの気づかなかったことを知る良い機会にさせていただけたら幸いです。
お電話の方が「何かあったらどうするのですか」と詰問されましたが、私どもは「何かあったとき」に子ども自身が自らの力で切り抜けてもらいたいために日々の活動をしています。散歩についてもその活動の一環です。
小学生の交通事故で1番多いのが1年生で、自宅の近く、年度の前半に多いといわれてしばらくたちますが、昨年度の統計でも同じでした。
就学前の多くの子どもたちは、ドアツードアで歩行することなく通園しています。そんな子どもたちが、小学生になって突然独り歩きさせられ、事故にあってしまい、それは、家庭教育だったり、自己の責任だと言われたらどうでしょう。その責任の少なくとも半分位は就学前施設の私どもにもあると考えます。
私どもは、職員一人ひとりが子どもの状況を知り、それに応じて子どもたちに実際に経験させ、危険回避する力を持ってもらいたいと考え活動しています。
電話でご意見いただいた散歩も担任が子どもたちの状況を把握しているからできることです。担任の位置、歩行のスピード、列の作り方等、乳児の時からの様子を知り、当日の子どもたちの関係性も考慮に入れ、出発前の確認事項も行い、実施しています。何より、この散歩を子ども達自身が望み、活動したことなので、安全性が高まります。逆に子どもたちの意思とは関係なく、保育教育計画だからと実施した活動(散歩)では、職員が何人引率しようが、距離を短くしようが、事故にあう危険性は高くなります。(だから多くの施設では、お手てつないであちこち見まわしながら、だらだらと歩くことをお散歩と言っているようです。)
まだまだ説明不足だったり気づかないことがあろうかと思います。どのようなことでも結構ですので、いつでも遠慮なくお知らせください。保護者の皆様とご一緒にお子さんの未来のために活動していきたいと思っています。
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-20
電話番号 / 0182-33-2777
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)