もうすぐ立春ですが、子ども達の大好きな雪の日はまだまだ続きそうです。
新型コロナも横手地区で一気に感染拡大しています。今日(1/31)現在、園関係者にコロナの陽性者はいないのですが、いつ当園に直接的な影響が来てもおかしくない状況です。保護者の皆様が、ご自身も通常の社会生活を送りながら、子ども達の毎日の健康観察や手洗い等にご協力いただき、また、登降園時や保育時間短縮等にご協力いただいているおかげで、市内外から広範囲の子ども達が利用している当園に今まで発生しなかったのだと感謝しております。
今後も感染対策を十分にしながら、毎日の教育・保育活動を行ってまいります。
①100-30×3=?
先日、新聞連載のコラムで秋田県の教育の歩みが書かれておりました。
県教育界の多くの先人たちのご努力が、学力全国トップクラスという今の県教育を築かれてきたのだということに今更ながら気づかされ、敬意を表したいと思いました。
その中で、ある時期、『100-30×3=』の数式を解ける子が極めて少なくて、当時の先生たちが、非常に悩まれ、教育方法を研究されたことが書かれていました。
そのコラムで気づいたのですが、書かれた先生は、「その式が分からないということは、1個30円のお菓子を3個買って100円払った時のおつりがいくらかわからないことだ。」と書いてありました。果たしてそうでしょうか?
算数の問題や数学の問題では、答えはあっていても途中の式が違っていれば減点(0点の場合も)されます。「1個30円のお菓子を3個買って100円払った時のおつりは、いくらになりますか?式を考えて書きましょう。」という問題であれば、「式は、100-30×3=10でおつりは、10円です。」が正解と思います。恐らくそれ以外は、✕か減点対象でしょう。でも現実的な生活ではそんな式を考えるでしょうか?
ある研究者が、ブラジルの物売りの少年についての研究を発表しています。その少年たちは毎日、物を売りながらお金の計算をしています。日本円で説明すると1000円札で買ったお客には、「これ2つで850円だから、はい、おつり150円」とすぐに返し、「お客さんは、520円の3つだから1560円。」「じゃあ、2000円」「はい、440円のおつり」とぱっと返して間違えなかったそうです。
しかし、その子たちに算数の『1000-850=』『2000-520×3=』を計算させてみたら誰もできなかったそうです。
十進法を前提として計算方法を学んできた私たちには、式をたて考えることが分かりやすい方法でも、その少年たちは、その計算方法を知らなくても生きていくためにその子なりのやり方で3桁以上の計算をしていたのです。
ついこの間のことですが、「120円のお饅頭65個買えばいくら?」と聞かれましたので、ちょっと間をおいて「7800円だよ」と答えました。
その時、私は、120×65を計算したわけではありません。式にするとすれば、 6×13×100で暗算しました。他にも6000+1800 とか6500+1300とか考えられます。どれも算数の問題の解答としては、減点対象と思います。
要するに算数のこれが分からないと生活に困る。とか、生活をする上では、正解は一つとは限らないのに正解は一つしかないとかたくなな考えに陥りがちなのが、多少問題があるような気がしました。
(今は、スマホの電卓アプリですぐに正解が出ますが…)
②誰が決めるの?
保護者の皆様はすでにご承知と思いますが、当園では、子ども達同士のトラブルには、身体に危険が及ぶことない限り、職員は、介入いたしません。職員が、介入しても互いの意見を伝えるメッセンジャー役に徹し、解決してあげることはありません。職員は、検事役も弁護士役もましてや裁判官役もやってはいけないことになっています。ですから、子ども達も職員に言いつけたり、頼ってきても話は聞いてくれるけど自分の思うように解決はしてくれないのが分かって、そのようにしてくる子はいなくなります。
時間はかりますが、自分達だけで解決するスキルを身につけてくれていると思っていましたが、先日ショックなことが聞こえてきました。
小学校でのことです。子ども達同士の遊びの中でトラブルがあったようです。トラブルの内容については、当事者双方の意見を聞かなければ、ことの経緯や是非は、わかりませんし、ましてや本人ではなく母親の話ですからコメントできません。ただ、片方の意見だけであることを差し引いても相手側の分が悪かっただろうことは予想される話でした。
ところが、トラブルの途中で相手側の子が「先生に言いつけてやる。」と言ったので「いっていいよ。」となり、その子が担任に訴えて先生が介入してきて、私に話している子のほうが悪者になっていて一方的に叱られた。そんな話でした。勿論その子は、担任に対し良い感情を持つわけもなく、学校が嫌になったような話でした。在園中は、そんな経験がなく、先生に反論もできず、叱られっぱなしになったようでした。事の善悪は分かりません。先生が介入し解決したとしたらそれには相応の理由があるかと思います。
ただ、この話を聞いて、やっぱり、いまだに学校の先生の中には子ども達を信じていない、特に低学年だから私が解決してあげなければいけない、守ってあげなければいけない、という誤った正義感、義務感、責任感の塊みたいな聖職者としての教師像を持っている人もいるのかもしれないなと感じました。それよりもショックだったのが、言いつけに言った子も当園の卒園だったことです。
悲しいかな、言いつけに言った子のほうが良くも悪くも社会性を身につけたのだろうと思いました。誰に力があり、どうすればその力を自分の味方にできるかを察知したからトラブルを早々に切り上げ、訴えに行ったのだろうと考えられたからです。それもまた処世術を身につけたことと喜ぶべきことかもしれません。
子どもは、決してみな天使のような心を持っているわけではありません。
大人の顔色をうかがい、忖度し、時にはずる賢く策をめぐらし、自分の優位性を保とうとする子もいます。だからとは言えないかもしれませんが、色々な事件が低年齢化し、横手市内の小中学校でも自殺騒動があったとか、学校に凶器を所持して行ったとかの噂が聞こえてくるようになったのでしょう。
でも、子ども達がこのような行動に出るのは、すべて周りの私達大人に責任があるということも私たちは、自覚しなければならないと思います。
私どもは以前から18歳の時にどんな子どもになってほしいか一緒に考えて育てましょうと訴えてきました。そんな教育・保育の一つが自分たちで問題を解決するということです。
普段の生活の中でも子ども自身のどんな些細な問題もすぐにご家族が解決してあげるのではなく「○○は、どうしたいの?どう考えているの?」と一呼吸おいて解決に導いてあげていただきたいと考えています。
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-20
電話番号 / 0182-33-2777
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)