むつみの畑をつくろう
グループの枠を越えてむつみには、お花に興味を持つ子ども達や「たねをうえたい」という子どもたちがいます。そんなある日、「畑をつくりたい」という願いを持っていると、話してくれたご家族がありました。そこのお家から自宅にある数種類の種と、植え方のアドバイスも一緒にいただきました。早速グループのみんなに話すと「よし、みんなで畑を作ってみよう」ということになりました。
園庭の土は粘土質で畑には向かないことはここが園庭になった時から知っていました。が、数年前に畑の土をいただいたことがあるここならどうかなと園長先生達と相談して畑にする場所が決まりました。さらに、畑を作るための道具もありません。それも交渉して準備してもらいました。
最初は、草だらけの土を耕すところから始めました。家で畑をしている職員にも手伝ってもらい、初めて鍬を手にして「重い。難しい。でもやってみたい」ということで、一人では持つのがやっとの鍬を職員と一緒に使ってみました。年長児の姿を見て一人、二人と年中児や年少児も見に来ました。「こうやってウネを作るんだよ。」と種を植える場所の盛り上がった所の名前も教えてもらいました。次の日は大雨で、待ちに待った種植えは来週に持ち越しになりました。
その週開けは、晴天です。色々なきれいな色の種がありました。そこで、何が出てきたかわかるように種の種類ごとに名前の札を立てて植えることにしました。菊地さんからじゃがいもの種芋を植えた時に「土を優しくかけるんだよ」と、教えていただいたことを思い出した子がいて、そのことをみんなに教えてくれました。そのこともあり「大きくなってください」と願いを込めて土をかけていました。完成した畑をワクワクした気持ちと、やっと畑ができたと嬉しい気持ちで眺めていました。
その後は「お水もあげないと」や「今日は雨だけど大丈夫かな?」など自分たちが植えた種のことを思う気持ちが伝わってくる言葉が増えてきました。どんな野菜の芽が出てくるのか、いつ出てくるのか一日千秋の思いでみんなで大事に育てていきたいと思います。
次回の畑プロジェクトもお楽しみに。
〔今月の保育の評価・反省〕
どのグループも、年長児の子どもたちが年下の子どもたちと関わる時に強く言ってしまうことが多く、子どもたちと話し合いをしました。「強く言われたらいやだ」「もっと優しく言ってほしい」等意見が出て、自分がされて嬉しいことをみんなでしようということを確認しました。
つい、きつかったり、いやな気持になる言葉を使ってしまうけれど、みんなのこころが優しくなれる言葉かけが、嬉しいことに子ども達自身が気づき、みんなで気をつけていこうと話をしました。
(松井 空子)
応援が力に
おやつ後は、グループごとに分かれて、各部屋の掃除タイムです。ここで活躍してくれるのが年中児の雑巾当番です。「雑巾持ってくるね」と当番になった子たちが中心になって、バケツを取りに行き「雑巾きたよ」の声が聞こえると子どもたち同士で声を掛けあって掃除が始まります。四月当初は「何が始まるの?」と二歳児や年少児は、年長児や年中児が雑巾を絞ったり雑巾がけをしたりする姿を見ていました。そのうち「こうやってやるんだよ」と教えてもらったことで、「やってみよう」という気持ちが出てきています。
掃除の場所は毎週変わります。二階・ゲームコーナー・以上児室の三グループに分かれますが、今回は二階の部屋の掃除をした日のことです。一番拭く距離が長く、子どもたち(雑巾がけが上手になった子)には人気の場所です。掃除が始まり、端から端まで拭き終えた子が、二歳児の一人が部屋の半分ほどまで雑巾がけをしている姿に気付きました。「〇〇ちゃん頑張れ」とかけた声がまわりの年中児・年長児に広がり「あともう少しだよ」と応援し始めました。声援を受け、一歩一歩、力強さが増して進んでいきます。そして、そのまま止まらず壁際まで拭ききっていました。まわりで見守っていた子からも「〇〇ちゃん、すごい」と声があがり、その二歳児の子は達成感と喜びにあふれていました。仲間の応援によって引き出される力はすごいなと感じました。
子どもたちの中で、頑張っている子を励ましたり、その子のいいところに気付いて認めたりする気持ちが育ってきていることを感ます。素敵なほしグループの一コマでした。
〔今月の保育の評価・反省〕
活動の話し合いや振り返りをする中で、自分の考えたこと、感じたことをみんなの前で話そうとする子が増えてきました。
(佐々木 理乃)
「チーズ出てきた」
年中児の子どもたちが、園庭の砂場でスコップを握り砂場掘りが始まりました。一人の子が、渾身の力を込めてグイッと手首を返しながら掘っていると、土の中にねっとりとした白い土があることに気が付きました。「何か出てきた」との声に、そこを掘っていた子たちがスコップに注目しました。注目している中でスコップについた土を削ってみると、その土がパラパラと剥がれ落ちました。一瞬言葉をなくした子達でしたが、すぐ「先生、チーズ出てきた」と興奮しながら知らせてくれました。さっきからその様子をこっそり見ていた私は『なんか、楽しくなってきたぞ』と思いながら「本当だ。チーズだね」と言いながら、一緒に『チーズ』集めに参加することになりました。
スコップの先を使って削っていくうちに、チーズがたくさん集まりました。その様子に気が付いた二歳児の子ども達もやってきて傍にぴったりとしゃがみ、じーっと手元をのぞき込みます。夢中になっていた年中児達が、二歳児の子達に気づき「○○ちゃんもやってみる?」と声をかけてくれました。二歳児の子が「うん」と嬉しそうに頷くと、一緒にチーズ堀りが始まりました。年中児の子が「ここ掘ってごらん」と指を差して一緒に掘ってみます。黙々と掘り進めると白い土が見えました。「ほら、チーズ出てきた」と年中児の子が話すと「本当だ、チーズだ」と二歳児の子も夢中になっています。そんな様子を見て年中児の子もニコニコと微笑んでいました。
グループの中で、自然に出てくる教えたり教えられたりする関係性の中で、年中児や年中児は二歳児の居場所を作ってあげていると感じました。
〔今月の保育の評価・反省〕
手洗い・うがいをする場所ややり方を一緒に確認しながら進めてきたことで、自分から取り組む子が増えてきています。
(和賀 和香菜)