

みんなで遊ぶって楽しいね

グループでの活動は、はじめのうちお互いに名前もわからない、誰が同じグループなのかというのもわからない子が多くいました。集まって話をする時間を設け、毎日顔を見合わせて話をしたり、職員が名前を呼んで子どもたちが返事をしたり、子ども達間のやりとりも大切にしながら過ごしてきました。今では少しずつ名前を呼び合ったり、一緒に楽しむなど、同じグループという意識も芽生えてきました。
毎日「今日は何して遊ぶ?」「何がしたい?」という話し合いをしています。その中で、「みんなでこれがしたい」「私はこれがしたい」という意見が少しずつ出てくるようになりました。なるべく子どもたち一人一人の、やりたいことや興味があることを『楽しむことができる』ことを目指してきました。そのためにおやつ後には、「今日はどうだった?」と振り返りをしています。「〇〇さんと一緒に遊べてうれしかった」「年長さんは今日、キャンプのことしたんだって」とみんなの声を聞きながら共感したり新たな発見をしたり再確認しています。すると次の日には、「ねぇぼくたちもキャンプしよう」「私も〇〇さんみたいにやってみたい」など新たな興味が広がったり、遊びが発展したり異年齢の活動ならではの刺激を受けながら毎日活動しています。
みんなが、『ひとりひとりを大切に』そんな関わりができるようにみんなで深め合っていきたいと思います。
〔今月の保育の評価・反省〕
グループみんなが集まった時に、かくれんぼやハンカチおとし、だるまさんがころんだなど(子どもたちからもやりたいという声が多くあり)みんなで楽しむ機会を作りました。そのことを通して、みんなで遊ぶ楽しさを感じ、数名で「やろう」と楽しむことに繋がりました。また、仲間意識も育ってきています。
(松井 空子)

素敵な発見

異年齢の関わりの中で『素敵だな』『嬉しいな』と思った関わりを紹介したいと思います。
一つ目は、園庭で活動した日のことです。この日年長児は、別の活動があり園庭には出かけませんでした。その後の振り返りで『園庭で見つけた虫を園庭に逃がしてきた』との話を聞いた年長児が「持って帰ってきたら?」「育てるのは?」という意見を出したのです。『え?』(他の年齢の子たちにはその考えがなかったようです)と驚いた表情を浮かべながらも「エサ食べてる所見てみたい」「お家作ったら楽しそう」という新たな楽しみを見つけることができました。虫が好きな年長児から出てきたこの発言に、他の子たちも興味を持ったようです。
二つ目は屋外遊戯室で遊んでいた時です。二歳児の女の子が吊り輪が揺れていて掴めずにいると、年中児が、すっと側に来て揺れている吊り輪を止めてくれました。おかげで二歳児の女の子は、吊り輪を掴むことができました。二人の間に会話はありませんでしたが、優しい気持ちとそれを受け取った嬉しい気持ちが通じ合うのがわかりました。
三つ目は、グループで集まろうとしていた時です。年中児の女の子が顔写真のついたホワイトボードをじっと見つめていました。そして、小さな声で「さめグループの二歳さんは…」と言いながら、まだ集まっていない子を探してくれていたようでした。確認が終わると手を繋ぎ、一人ずつゲームコーナーへと連れてきてくれました。
私たちから特別な声掛けをしなくても、日常の中で自然とこのような関わりができています。改めて子どもたち同士の繋がりのすごさを感じています。
〔今月の保育の評価・反省〕
子どもたちのやりたいことを聞いて活動を決めています。子どもたちの興味のあるものを見つけ、じっくり取り組めるようにしていきたいと思います。
(山内 麻知子)

とってあげるよ

九月末からグループで主に生活しています。初めは生活の流れや活動の変化に戸惑う様子も見られたグループですが、みんなで毎日一つひとつ丁寧に確認したことで、生活の流れがわかってきました。また年中児・年長児が自分から年少児、二歳児を気にかけて一緒に手伝ってくれています。今回は、グループで園庭に遊びに行った日の出来事を紹介します。
園庭の砂場の方に、樹液がついた大きな木が立っています。年少児が樹液を見つけると「これカブトムシの蜜だ。」と言って取り始めました。するとほかの子どもたちも「ほしい」と集まってきます。みんなで順番に取っていると、二歳児の子も取りに来ました。しかし樹液が固くなかなか取れません。すると「とってあげるよ」と年中児の子が声をかけてくれました。指先に力を込めて何度も引っ張ると遂に取れました。そして、二歳児の子は樹液の塊を受け取ると「ありがとう」と嬉しそうに言いました。二人は交互に樹液を摘まんで遊んでいると、今度はセミの抜け殻を見つけました。するとそこの隙間に草を刺して羽のようにして、夢中になって遊んでいました。この日を機に、二人はリズム体操やグループでの話し合いでとなりに座るようになり、いつも笑顔で話しながら活動に参加しています。
手伝ってくれたり遊んでくれたりしたことで、年中児が優しく頼もしい存在になったようです。二歳児が憧れをもって一緒に過ごすなど、異年齢での関わりが見られて嬉しく感じました。
〔今月の保育の評価・反省〕
- 生活の流れをイメージして、身の回りのことを進めることができるようになってきています。また年中児・年長児は年少児・二歳児を手伝おうとする姿が増えてきています。
- 話し合いや振り返りでは、遊びたいことや楽しかったことをみんなの前で発表する子が増えてきています。
(和賀 和香菜)