みんなのために
十二月に入ってもなかなか積もらない雪に、じれったさを感じていた子どもたちですが、室内遊びではお絵描きや製作などを十分楽しんでいます。
お互いの作品を見て「かわいいね」「どうやって描いたの?」「○○さん作り方教えて」などその子の良いところに気付いたり、教え合ったりする姿が見られます。一緒に作ることで、嬉しさや喜びを感じることができたり、アイディアが広がったりしています。
また、絵本を読むことも大好きです。みんなで絵本を見ることはもちろんのこと、一人でじっくりと読む様子もあります。絵本にまつわるある日のエピソードを紹介します。
リズム体操後、手洗いうがいが終わった子からグループの場所に集まります。その日も「絵本読みたい」と言う子が多かったので、準備を終えていた年長児に「クリスマスの絵本選んで来てくれる?」とお願いすると「いいよ」と笑顔で快く答えてくれました。早速、絵本コーナーに行き「どれがいいかな?」とそれぞれ絵本を探します。「これは二歳さん難しいかな」「これ面白そうかも」とみんなのことを考えながら時間をかけていました。基準も自分たちより、小さい子が分かるかに変わってきているのにも嬉しい気持ちになりました。たくさん悩んだ中で、最後は『みんなで見れるもの』になり『クリスマスのうさぎぼうや』という絵本を選んでくれました。
年長児が絵本を選んでくれている間、二歳児~年中児も「楽しみだね」「何の絵本かな?」とワクワクして待っていました。年長児の持ってきた絵本を見て、「待ってたよ」「うさぎかわいい」と期待いっぱいに目を輝かせていました。前のめりになって見るほど絵本に引き込まれていました。みんなのために年長児が選んでくれた絵本は、特別なものとしてみんなの心にしみ込んだようです。素敵なクリスマスプレゼントでした。
〔今月の保育の評価・反省〕
振り返りの中で、他の子の良いところに気づき互いに伝え合う素敵な視点・気持ちが見られます。
(高橋 凛)
『いらっしゃいませ!』
お祭りがどんどん盛り上がってきました。何回かお祭りを開いていくうちに楽しいのはもちろん、その反面悩みもたくさん出てきました。
ある日、活動の話し合いをしている時のことです。お祭りを開こうと話し合いが進んでいく中で「お客さんもっときてほしい」という意見が出ました。そこからどうしたらもっとお客さんが来てくれるかをみんなで話し合いました。すると「もっと元気にいらっしゃいませ言うとか?」「笑顔でやるとかは?」など年長児を中心にたくさんの意見が出て、早速出た意見をもとにお祭りを開いてみることにしました。 どのように変えていくのかなと一緒に準備をしながら見守っていると、「メガホン作ってくる」とある年長児が言います。
折り紙とスズランテープを使ってメガホンを作ると、すぐ口元に持っていき「いらっしゃいませ」と一声、するとその声は以上児室の奥の方まで響き渡りました。その姿をみた他の子も、お客さんが来るまで一生懸命メガホン作りをしていました。その後は、お客さんが来る時間になるとみんなで作ったメガホンを持って元気に呼び込みです。ほしグループの『いらっしゃいませ』の声を聞いた他のグループの子がたくさん来てくれました。その日は、今までで一番売れて「あと売り切れです」と嬉しそうに話す姿がたくさん見られました。また、その日の振り返りの時間では「たくさん買ってくれて嬉しかった」「メガホンよかった」と笑顔で話していました。
たくさん悩みながらもどうしたらもっと盛り上がっていくか子どもたちと考えたり話し合ったりしてお祭りの活動を楽しんでいきたいと思います。
〔今月の保育の評価・反省〕
感染症予防として、これまで以上に手洗い・うがいを呼びかけています。子どもたち同士でも「指の間も洗うんだよね」「ガラガラうがいしようね」と声をかけ合う姿が見られます。
(高橋 彩夏)
秘密のサンタクロース
十二月に入り、クリスマスやサンタさんという言葉が子どもたちの会話の中に増えてきました。
クリスマス制作をした時に、年長児のある子がサンタの衣装を作っていました。赤い服に、白い袋を持ち、トナカイ役の子と部屋の中を歩く姿はまさに『サンタクロース』でした。
その日の振り返りでのことです。年長児の女の子が「今日、キッチンカーをやっていた時に、サンタさんが来て、私たちにプレゼントを置いていってくれて嬉しかったです」と教えてくれました。その言葉に、サンタになった年長児の姿を見ていない子たちは「え?」と驚きの表情です。その言葉を聞き、サンタになった子も嬉しそうでした。
次の日も『サンタさん』の話題が出ました。サンタになった年長児の子に「どうしてもサンタさんが見たいって言ってるんだけど…」と話すと「いいよ」と言い、すぐに着替えに向かいます。そして「俺、着替えたら隠れるからね」と一言。準備ができるまで『サンタクロースってほんとにいるの?』という絵本を見ながら待ちました。そして、読み終わると「メリークリスマス!」の声が聞こえ、声のする方を見るとサンタに変身した年長児が立っていました。「〇〇さんだ!」とみんなが手を叩いて喜びました。その瞬間グループみんなの気持ちが同じになったのを、わくわくした子どもたちの表情から感じ取ることができました。
『誰かの為に』と意識していたわけではないかもしれませんが、一人の子の行動がみんなの喜びになり、それがまたグループとしての繋がりを強くしてくれるのだなと感じました。
〔今月の保育の評価・反省〕
遊びの中で、他の子とのやりとりを楽しむ姿が多く見られるようになりました。自分の気持ちを伝えたり、他の子の良いところを真似たりしながら活動が進んでいます。
(山内 麻知子)