1週間であっという間に子どもたちが隠れてしまうほどの大雪になりました。
朝夕の道路の混雑ぶりは半端ではありません。そんな中、子どもたちの送迎、混みあう駐車場での譲り合い等、毎日忙しい中ご協力いただきありがとうございます。 毎朝、雪の降り具合、積もり具合を見て一喜一憂するのは、私ども大人の世界で、子どもたちは、待ちに待った2年ぶりの雪に毎日がとても楽しそうです。この雪は、乳児保育園、こども園両園の子どもたちにとって、最高のプレゼントのようです。 誰の足跡もない園庭で、体全体を使って自分がすっぽり隠れてしまうほどの雪をかき分けて進んでいきます。誰かに言われてやらされているのではなく、自分の意思で誰も足跡をつけていないところを目指していきます。大人が足を取られてもたもたしている中を要領よく進んでいきます。年長のほうが年少よりも巧みに雪をかき分けていくことができます。
いやなことをさせられる時には、「さむ~い」「冷たいからいや」といって何もしなくなる子どもたちが、靴の中が雪だらけになろうが、靴が脱げていようが構わず雪の中で遊んでいます。いやなときには、準備もなかなかできなくて「できな~い。やって~」と言ってなかなか次に進めない子どもたちも自分で黙々と何とか準備しています。
この違いは何でしょう?
子ども自身が、自ら望み決定して行動しようとした時に、私共が想像する以上に子どもたちは行動できます。その時にすべてを子ども任せにするのではなく、子ども一人一人の状況を把握して安全に活動できることを保障することが私どもの役割と考えています。
子どもたちの雪遊び(雪の降り始めから23日まで毎日園庭に出て遊んでいました。24日はクリスマス会のためと雨のため外遊びはしていませんでした)を見ているとその年齢に応じて遊び方が違うことに気づかされます。どの子も気がついたのが降り始めの時の雪と日にちが経ってからの雪の状態が違う事です。
年齢が下だと雪の状態の違いには気づきます。年長になるとその違いを利用した遊びを始めます。また、最初は、我先にと雪をこいで進もうとしますが、そのうち上手に進む子の後ろに列ができたり、先頭が時々入れ替わったりして前に進んだりするようになります。このことは、すべてスムーズにいくわけではなく、時には小競り合いがあったり、一触即発の状態になったり子どもたち同士のせめぎあいがあったりしますが、何となく落としどころを子どもたちが見つけ遊んでいます。
今年の降り始めの雪はサラサラで踏ん張りができず歩きづらかったのが、だんだん雪が湿ってきて雪が締まり重くなってくることで足の踏ん張りがきくようになり、雪玉も作りやすくなってくることに気づいていました。体験することで無意識のうちに歩く歩幅が違っていたり、力の入れ方が違っていたりします。
横手に生まれ、横手で育っている以上、雪とのかかわりは切りようがありません。また、このことは横手ならではのかかわりでもあります。
おそらく私共両園の子どもたち以上にこの10日間、雪にまみれて遊んだ子どもたちは、横手にはいないと思います。
せっかくの横手の豊かな自然の最たる雪を教育保育活動に生かしきれてないと思える就学前施設が多いのには、いささかがっかりしています。(このことは、手前味噌ですが、本音としては厳しいものがあると思いますが、猛吹雪でも子どもたちの思いをくみ外に一緒に出ていく私共の職員が他の施設の職員の皆様よりも優れている証と思っています。)
乳児保育園の子どもたち、子ども園の子どもたちそれぞれが、その時期に経験すべきことを経験してくることにより雪との接し方が違い、年長の子たちは、下の子たちにコツを伝授したり声をかけたりすることができます。
このことは日々の活動にも言えることです。
先日、農林水産省東北農政局の食育担当の方が、2名、当園に取材に見えられました。(そのことは、近日中に東北農政局のホームページにのる予定です。)
年長児の味噌作りと朝の米とぎを中心に取材されたのですが、2人の方が異口同音に話されていたのが、どの作業も子どもたちが、ごく自然に行動していたことにびっくりしたという事でした。私共にすれば取材があるからといって特別のことをしたわけでもないので、逆にびっくりされたことにびっくりしました。
よく、マスコミ等に載る、芋ほりをしましたとかカレーを作りましたとかというイベントが食育という認識であれば、日々のあたりまえの活動としていることが取材に見えられた方の驚きであったのだろうと思います。
私共の教育保育活動は、一朝一夕に取り繕って作り上げたものではありません。乳児期から年長児までの段階を踏んだ個々の発達を踏まえ、それにそれぞれに合った関わりをしてくることによって出来上がってきているものと考えています。
この関わりは、私ども大人と子どもたちの関わりが重要であることは間違いありませんが、それと同じくらい子どもたち同士の関わりも大きいものがあります。 学校教育のように単科教育が求められているわけではない就学前教育施設である私共が、学校教育と同じような計画に基づいた教育保育活動ができるわけもありません。また、就学前施設とはいえ、就学すること(させること)が、目標でもなく、就学前であるからこそできる、就学前にしかできない教育保育活動をこれからも進めてまいりたいと考えています。
何より、子どもたちが、成人したときにどんな大人になってほしいかを保護者の皆様とともに考え、その基礎作りを支援していきたいと考えております。
お気づきのことご意見等ございましたらいつでも遠慮なくお伝えください。
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
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開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)