むつみ乳児保育園  むつみ幼保連携型認定こども園
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むつみプラスワン【2022年11月】

 10/28 年長児のキャンプ最終日です(この原稿を書き始めた日です)。

 26日からの3日間、年長児たちは快晴にも恵まれ森吉の秋を満喫できました。

 担当が不慮のことから直前に引率できなくなり、どうなることかと思ったのですが、職員同士の連携もあり、又、案に相違して子ども達が担任不在にもかかわらず落ち着いて普段通りの行動を見せてくれました。日ごろの『チームむつみ』としての教育・保育活動があらわれたのだと確信いたしました。

 また、担任不在でも動揺することなく、新たな引率チームに全幅の信頼をお寄せくださり、子ども達を送り出してくださった保護者の皆様にも感謝いたします。

 未知の世界で未知の体験をしてきた子ども達です。初めて訪れた場所、初めて出会う人たち、初めて見るむつみの仲間たちの素顔、初めて家族から離れて過ごす3日間。

 この3日間で何をやり、何ができ、何ができなかったか、何を考え、何を感じ、何を体験したのかは、23人の子ども達がそれぞれ違います。

 ただ、言えることは、そのどれもが、数値化して評価することはできないものだということです。「失敗体験」であれ「成功体験」であれ無条件に最大の評価が与えられる活動、経験であったと思います。

 仲間と協力して煙に涙しながら薪に火が付いた時の喜び、苦労して包丁を使い、切ったニンジンが皆においしいと言ってもらえた喜び、皆のために寝る準備や部屋を掃除した満足感、自分の意のままに行うことのできなかった不満、怒り、自分のことを一番わかってくれている家族が、一緒にいてくれないことの不安、心細さ、寂しさ、等々、これ等のこと全ての体験が、子ども達ひとり一人を間違いなくステップアップさせていると信じています。

 私共も、一応教育機関として事前にキャンプの目的等、いろいろと計画案をたてますが、この数値化のできない子ども達ひとり一人がそれぞれ違った思いを持つ経験をすることと自分のことは自分でする(自己責任)が出来ないこと(問題に気づく)は助けを頼む(問題解決)経験をすることこそが、私共がキャンプをする目的です。

 こんなキャンプが、年長児になって突然できるようになったわけではなく、多くの子ども達は、乳児保育園時代からの日々の活動で基本を積み重ねてきて、やっとできるようになったのです(園長以下、引率したスタッフ(職員だけではなく、現地のキャンプ場スタッフ、酒井先生も)がいたからできたわけではなく、ALL むつみで毎日の教育・保育活動を行ってきていたからできたのです)。むつみ乳児保育園でもこども園でも私共が一番大切にしていることは、目の前の子ども達の18歳の姿です。その時点で子ども達が向き合ている世界はどのようなものか、そしてその時に自ら生き抜く力を持てているかが、その後の長い人生を決めてしまうと言っても過言ではないと考えます。

 就学前の今の時期は、そのためのしっかりとした基礎を築く大切な時期です。その大切な時期に可能な限り本物の実体験をすることで子どもたち自身が自らの考えを持てるような教育・保育活動を試行錯誤しながら進めてまいりたいと考えています。

 10/13 たまたま見たNHKのニュースで石川県教職員組合のアンケート結果が放送されました。14日には、秋田県の状況、続いて富山県、長野県、宮城県、熊本県でもやっているという報道です。何かというと小学6年生と中学3年生の「国語・理科・算数(数学)」を対象に4月に実施された「全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)」の事前学習をしていたという内容でした。秋田県では、ほとんどの学校でやっていたようです。毎年、成績上位の県では大半の県がテストのためのテスト勉強をしていたということでした。(なんかバリバリの有名学校進学請負い学習塾みたいですね)

 以前から当事者である子ども達や保護者の皆さんから聞いていたので、今更の報道という思いのほうが強かったのですが、全国ニュースで報道されたときに秋田市でインタビューに答えていて人たちの話に唖然としてしまいました。

 ほぼ全員が事前学習の肯定派で「事前学習、何が悪いの?」という感じでした。

 定期試験前の勉強や受験勉強と同じという思いからだったかもしれませんが、決定的に違うことがあります。試験前勉強や受験勉強は試験を受けた人、個人の成績ですし、将来にわたって良くも悪くも影響するであろう個人にとって重要なものかもしれません。「全国学テ」は個人のためではありません。誰のためになるかわからないことに最長15時間もの時間を浪費してやるようなものでしょうか?

「全国学テ」の事前学習が当たり前のことだからでしょうか、

「来週、テストがありますから、テスト勉強です」と言ってプリントを宿題にだしている先生もおられるようです。子ども達に良い点数を取ってもらいたいという親心(教師魂?)かもしれませんが、

    『テストは何のためにやるの?』

    『宿題は何のために出すの?』

    『自学とは何?』

 子どもたちの素朴な疑問に正面からどうぞ答えてあげてほしいと思います。

 「自学」って自分のための自分の勉強だよねと思っている子どもに前日に自学をやってないからと言って休み時間返上で「自学をやらせる」のはいかがなものでしょう?

 「理解している者には、無駄。理解できていない者にとっては重荷でしかない」とおっしゃって宿題・定期テストを廃止した先生(学校)がおられます。結果として子ども達の学力は低下したわけではなく、子どもたち自身の学びに向かう力が伸たそうです。

 だからと言って同じように廃止すべきとは言いませんが、宿題やテストの目的は何かを子ども達に教えてあげてほしいと思います。宿題やテストは高得点を取ることが目的ではなくて、次のステップに進む時期をいつにするのかを確認するものととらえれば、その子にとって最善の学習機会を与えられるように思います。 自学も当然、自身の学びに向かうことにつながると思います。

 私共も就学前教育・保育活動として「探求型学習」「問いを発する子どもたち」という誇るべき秋田の教育を深めていきたいと思います。

社会福祉法人 睦福祉会

むつみ乳児保育園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)

むつみ幼保連携型認定こども園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-20
電話番号 / 0182-33-2777
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
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