1月23日午後、年長児がご家族をお招きして『むつみ茶会』を行いました。
当日、朝から何となくいつもと違う感じがしていたのですが、昼食をいつもより早く食べ終え、高橋礼法着物学院の先生方が見えられ着付けが始まった時には、いつもの年長さんではなくなっていました。
男女ともに着物を着せていただき、互いにいつもと違う姿に「かっこいい‼」と言い合い、特に女の子たちは、午前中から築山、松井両主幹が髪を整えて髪飾りも付け、着物を着せていただいた時から自然に普段の姿からは想像もつかないほどおしとやかな動きに変わっていました。
お茶会は、それぞれ自分の家族にお茶を点て、お菓子やお茶を運ぶのは、別の子がするという手順で行いました。子ども達の緊張感は最高潮に達していましたが、見事にそれぞれの役を果たすことができました。
1年前から毎月2回、玉川遠州流横手会会長の山隂先生からご指導を受けた成果を保護者の皆様に披露してくれました。
男の子も女の子も着物を着ての歩き、お茶を点てることは、初めての経験だったと思いますが、私どもが敢えて注意しなくても自然に着物にあった立ち居振る舞いになっていました。子ども達自身が日々の活動の中から考え、学びあい出てきた姿と思い、嬉しくなりました。
会場となった2階の保育室は、子ども達は無論ですが、子ども達を優しく見守る大人達からも話し声やしわぶき一つ聞こえず、静かで緊張感の漂うとても素敵な時間、空間でした。
当日は、山隂先生とそのお弟子さん達、事前に一人ひとりの身長に合わせ子ども達全員の着物を準備してきてくださった高橋礼法着物学院の高橋百合子先生とそのお弟子さん(着付けの先生)達、皆様のご協力があったから最高のお茶会ができました。
本当にありがとうございました。
未来を生き抜く子ども達にとって今回の経験がどのような形で残るのか想像つきませんが、少なくともお茶や着物という伝統的な文化の一端に触れたことやいろいろな方たちと交流ができたという経験のどれかは残ってくれることと思います。
お茶席が終了し子ども達が別室に移動したとたん子ども達の弾けるような元気な声が聞こえてきました。それと同時に茶席に出席していただいたご家族の皆様からも緊張がほぐれ、ゆったりとした空気が流れ、感想やつぶやきが聞こえてきました。
お茶会の時間、緊張とともに我が子だけではなくどの子にも優しいまなざしで見守ってくださっていたご家族にも感謝いたします。
数日前に届いた秋田県社協の機関紙の表紙が偶然、秋田市内のこども園のお茶会の様子でしたが、写真の子ども達の残念な姿を見て、我が園の子ども達の正座の姿の美しさを自慢したくなりました。
テレビや新聞等の報道で、いじめの問題を取り上げられることが多くあります。うちの子は、いじめられているのではないか。逆にうちの子が、お友達をいじめているのではないかと心配される保護者の方がいらっしゃいます。
誤解を恐れず言わせていただくと、当園では(他園のことはわかりませんが…) いじめはありません。この時期の子ども達にはいじめはなく、周りの大人が作ってしまっているイメージではないかと思います。
子ども達同士のいろいろなトラブルは、毎日のようにあります。
私どもは、子ども達が、今のこの時期にトラブルをいかに多く体験できるかが重要だと思っています。トラブルを体験し、それを解決する方法を自ら学ぶ。
私どもには、善悪を決定する裁判官役もなければ警察官役もありません。
子ども達の安全を見守り、子ども達を信じて解決を待つだけと考えています。
子ども達自身が納得できなければ、同じようなトラブルが同じような子ども達同士で起こります。私どもが強く介入し解決させれば、私どもの目の届かないところでトラブルが発生します。子ども達同士で解決させれば、大人から見て変と思われる解決もあります。それはそれで当事者である子ども達同士が互いに納得したのであればOKにしています。そこに大人の意見が入ってはいけないと考えています。もしもその場で納得いかずに勢いに負けて解決してしまい悔いが残っていたりすればどこかで必ずその子は誰かに訴えたり、同じトラブルを招いてしまいます。そのような時もできるだけ当事者間で納得いくまで話し合いをしてもらいます。それができないような時だけ私どもが仲介役として介入します。
勿論、最初から解決できるはずはありません。園にいる間だけでは無理なことで、長い年月をかけ、ご家族や周りの大人の理解と協力を得て何度も繰り返し折り合いをつける事を覚え、互いに納得する解決方法を学びます。
私どもが最初から介入して「〇〇さんと〇〇さんは仲良しね。仲直りの握手をしましょう」とやるのが時間もかからず、一見解決したかのように見え、その職員も子ども達の意見を聞きトラブルを収めた優秀な職員と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。そのようにして収められた経験を多くしている子が、学校に行くといじめの張本人になっているケースが多いように思われます。
当園のような就学前の施設では、子ども達は常に大人と一緒か、目の届く範囲でしか活動を許されていないのが現状です。小学校に行くと先生の目の届かない休み時間があることに子ども達は気づきます。大人の力によって押さえつけられていた子が、一気に爆発し、解決してくれる先生に自分に非があるにもかかわらず上手に訴えるか、力によって相手を押さえつけようとするかのどちらかになる事例を多く見ています。残念なことに多くの場合、学校では先生が解決役、裁判官役になってしまい、不満を持つ子ども達、何も言わなくなる子ども達が増えているということが私どもに聞こえてきます。
私どもは、子ども達の問題は、子ども達同士で解決できるように、自分の意見だけを主張するのではなく相手の意見を聞き、時間がかかっても納得いく解決ができるよう手助けをしていきたいと考えています。年齢によっては話し合いよりも手が出てしまう場合もありますし、声の大きい職員が仲介役だと子どもが叱られたと勘違いする場合もあります。
そのような時、子ども達はご家族に相談すると思います。相談、訴えがあった時にご家族は、お子さんを否定することなく聞いてあげて私どもにお知らせください。子どもにとって最善の解決方法をご一緒に考えたいと思います。
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-20
電話番号 / 0182-33-2777
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)