時折、雪がちらつき始めました。今年も去年のように大雪になるのでしょうか?
昨冬の大雪で壊れた屋外遊戯室の屋根の修復工事もやっと終わりました。工事期間中は、保護者の皆様や関係各位の皆様にご不自由やご迷惑をおかけいたしました。
ご協力ありがとうございました。
10月28日から2泊3日で行った年長児のキャンプも無事に終えることができました。何事もなかったわけではなく、今年の子ども達にもこの子たちなりのドラマがありました。毎日、顔を合わせている仲間や職員と言っても家族のいない3日間を過ごしてきたのですから、内心の不安や恐れは、どれほどのものだったろうかと想像してみてください。「うちの子なんかケロッとして帰ってきたわよ。」とか「酒井先生のFB見たけどたいしたことなかったじゃないの。」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。私としては、保護者やご家族の皆様に子ども達がそう思わせたとしたら、子ども達なりにとっても成長したなと思います。が、ここまでに子ども達がどんな思いで活動してきたのか?キャンプの最中でも普段ならトラブルになりそうなところを互いにグッと耐えてトラブルを回避したり、みんながお互いに泣きあったり慰めあったりして過ごしてきたということを大人の皆様には、気付いてほしいなと思います。
ついでに報告させていただくなら、私共のスタッフも子ども達が就寝してから一日の振り返りと翌日の行動予定を子ども達ひとり一人について喧々諤々話し合い、自分たちの役割を再確認してから就寝し、深夜の見回りで子どもたちの安全を確認して翌日は、早朝5時から子ども達と活動を共にしてきました。仕事ですから当然のことですが、敢えてご報告させていただきました。来る12月4日に年長児の保護者の皆様だけですが、キャンプ報告会を開催いたします。ぜひ、ご参加いただきたいと思います。
以前、園だよりに「雪がとけたら何になる?」という質問について書いたことがあります。理科のテストなら正解は勿論、「水」ですが、子ども達に質問したところ「春になる」や「川ができる」、「泥んこになる」「水たまりができる」といろんな答えが出てきたという話です。「水」以外の答えは間違いだろうか?間違いと言えるのか?自然豊かなこの地域に住んでいる私達だからこそこんな答えも間違いじゃないと子どもと楽しんでほしいというようなことを書いたように記憶しています。
どうして、またこのことを書いたかというと先日小学校の研究授業にお招きいただき、参観させていただきました。小学校1年生の算数の授業でした。
「雀が15羽います。地面で休んでいる雀は9羽です。飛んでいる雀は何羽でしょう?式を考えてみましょう」これが、その授業のテーマでした。
問題文の中にいわゆる加法・減法の言葉がないので、子ども達にたし算なのか引き算なのか考えて、式を作りなさいという問題です。
求められる答えは、『15-9=6,6羽』です。
先の「雪がとけたら・・・」と同じで、
「15羽の雀を地面で休んでいる雀と飛んでいる雀の2種類に分けるだけでいいの?」「木の枝にとまっている雀もいれば電線や屋根にとまっている雀もいるし、何より飛んでいる雀がいつまでもその場所で飛んでるわけないじゃん。」と思って「わかりません」「0から6です」とか「0です」と答える子がいてくれないかなと期待していたのですが、残念なことにそんな子は、いませんでした。
子ども達だけでなく、先生たちも問題を読んでその場面を思い浮かべたら上記のように思うのではないかなと思います。
仮にそういうことを言った子に「これは、算数の問題(お勉強)だから、これでいいの」とは言わないでいただきたいなと希望します。そのような事を言う先生はいらっしゃらないと思いますが…
そのように言われたならその子は「学校のお勉強とは、現実世界にはありえないことを考えて答えを出すこと。」と捉えてしまい、とても「深い学び」につながるものではないと考えます。
逆に正解と思われる式を出した子ども達に先生が、上記のことを発問していただけたらどうだろうと想像してみました。
きっと子ども達は、我先に自らの『体験知』をもとに主体的に活発に子ども達同士の話し合いが弾んだのではないかなと思ってしまいました。そして子ども達なりに学びを深めていけたのではないかと思います。
こんなことも思いました。
「籠の中にお父さんが捕まえた雀が6羽います。お父さんがまた雀を捕まえてきてかごに入れたので10羽になりました。お父さんが、籠にたしたのは何羽でしょう。式を考えてみましょう。」
答えは、「10-6=4」です。言葉は、いれた、たしたということで、たし算ですが、式は引き算です。しかし、このことについても雀を10羽なんか捕まえれないよという子が、出てくるかもしれません。
子ども達が、一方的に教えられるのではなく、いろんなことから子ども自身が学び、子ども達同士で学びあえる環境づくりをしていくのは、私達大人の責任だと考えます。
目の前の子ども達の多くは、間違いなく21世紀中盤の社会を支え、22世紀を生きる子ども達です。
そして、その子ども達を待っているのは「予測困難で不確実、複雑であいまいな時代【VUCAな時代】」です。今の職業の大半がなくなっているだろうとも言われています。子ども達がそんな時代を間違いなく生き抜ける力の基礎を育まなければならないと考えます。
「あれっ、不思議だな」「何だろう?」「どうして?」「どうすればいいの?」常に子ども達が『問い』を発することのできるような教育保育を行っていきます。皆様のご理解ご協力をお願いします。
社会福祉法人 睦福祉会
住所 / 〒013-0064 秋田県横手市赤坂字仁坂105-27
電話番号 / 0182-38-8020
開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
むつみ幼保連携型認定こども園
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開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)