むつみ乳児保育園  むつみ幼保連携型認定こども園
社会福祉法人 睦福祉会 むつみ乳児保育園&むつみ幼保連携型認定こども園
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むつみプラスone【2024年8月】

 7月22日午後2時過ぎ、乳児保育園の園庭側テラス入り口に身長185㎝、肌の色が見たことのないような色、両手には鉄パイプを持ち、頭には、何本も茶色や黒の紐のような物をぶら下げ、片足は靴を履いたままの異形な男性が立っていました。

 不審者にも間違えられそうなこの人が、7月22日から25日、ご縁があり、私共が、横手にお招きしたガテラ・ルダシングワ・エマニュエルさんで、ご一緒におられたのが奥様のルダシングワ・真美さんでした。

 22日から25日の日程の詳しい打ち合わせをするには、にぎやかなこども園より乳児保育園が良いだろうということで、ガテラさんは右足が不自由なためできるだけ段差が無いよう園庭で車を降りていただき、冒頭のような状況になりました。

 肌の色が違ったのは、ガテラさんは、アフリカのルワンダという国の方で黒っぽい茶色、褐色という感じの方でした。

 両手に持っていた鉄パイプのような物は、松葉杖でした。ガテラさん本人が、鉄製のほうが重さがあってちょうど良いということで使っているそうです。

 頭についていた紐に見えたのは、紐ではなくてガテラさんの髪の毛でした。ガテラさんの髪の毛は、縮れ毛で最初だけ丸めると髪が伸びるにつれて自然に紐状になって一本一本丸められてまとまって長く伸びていき今の状態になったそうです。途中でちぎれることもあり、シャンプーするのは大変な作業だそうです。

 片足に靴を履いたままだったのは、右足がご不自由で義足、装具を着用しているため靴を脱ぐことができず、靴を履いたままでいなければならないのだそうです。

 これらのことは、子ども達や私共とご夫妻が交流する間にお話しくださいました。

 私が、驚いたのは最初の乳児保育園の子ども達の反応でした。ガテラさんは、冒頭書いたようにこの近辺ではまずお見受けすることのないような(私自身、未だ曾て遭遇した記憶のないような)異形な大男(大変失礼な表現ですが、敢えて使わせていただきます。)でした。

 絶対、子ども達には大泣きされ、大変な状況になるだろうと私共は、思っていました。それが、泣きかけたり、職員にくっついて隠れようとした子はいましたが、それくらいで済んでしまい、私共の心配は、余計な心配で終わってしまいました。

 それどころか打ち合わせを終わって同じルートで帰られたのですが、ご夫妻とタッチをしてさよならができていました。

 このことは、次の日からのこども園の子ども達との交流でも同じでした。

 泣きそうになったり、引いてしまう子もいましたが、ほとんどの子ども達が何の違和感もなく、普段見えられるお客様と同じように接していました。いつも以上に近しく接していく子ども達もおり、驚きました。こども園の子ども達には、事前に講演会のポスターを見せて。この人たちが園に来てくれることは知らせていました。いつ来てくれるの?と心待ちにしていた子ども達でした。それでも冒頭のような状況で現れたらパニックになるだろう。ご夫妻にも失礼なことになるのでは…とも思っていました。そのため、事前の計画には子どもたちとの交流は、具体的に予定していませんでした。想定外の嬉しい子ども達の反応は、ご夫妻にとっても意外なことだったようで、講演・講話の合間にはホテルで休むことより園での子ども達との交流を希望してくれました。

 大人は、先入観や偏見があり、言葉が通じないとか姿かたちだけで人を判断してしまいがちです。事実、私共もその傾向があったことは否定できません。

 子ども達は違いました。

 その理由を考えたとき、一番にガテラさんのまなざしがとても優しかったことに子ども達が、無意識のうちに気が付いたのだと思います。 私共には想像もできないような体験をされてきたにもかかわらず、ガテラさんのまなざしは、とても慈愛に満ちていて、その優しさに何の抵抗もなく私共も普通に接することができました。特に子ども達にはその大きな手で優しくふれてくれました。

 私には思いっきりぶつかって抱きついてくる子ども達が、ガテラさんには駆け寄ってきてもスピードダウンして優しくハグしていました。右足を見せていただいた時には「早く治るといいね」、園から出かける時には「いってらっしゃーい」園に見えた時には「お帰りなさい」と園の仲間のようにしていました。

 外国人、肌の色、障碍者、言葉が通じない。

 園の子ども達には何の壁もないのだということに気づかされ、子ども達に学ばされた4日間でした。

 子ども達は忘れているかもしれませんがご家族で話をしてみてください。いろんな言葉も教えてもらっていますよ。

 

***ルダシングワ夫妻の活動***

・1995年大虐殺後のルワンダを調査し、1996年ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクトを設立、義肢製作所を設け、義肢装具の製作、義肢装具士の育成、義肢配布のための巡回診療・障害者スポーツの普及・障害者に対する職業訓練などの活動を進めておられます。

 この活動は、NHK『プロジェクトX 悲劇のルワンダ/希望の義足』で放映され、道徳の教科書(光村図書)※1に取り上げられ、『義足と歩む ルワンダに生きる日本人義肢装具士』(汐文社)※2が出版されています。

※1 横手市の中学3年生の道徳の教科書として採用されている。折角のご夫妻の来横ということで、市教育委員会の主催で平鹿中・増田中・十文字中の3年生対象の講演会が行われました。

※2 市内の小中学校にこの図書を当法人より寄贈しました。

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開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)

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開所時間 / 7時~19時(延長保育時間を含む)
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