- 熱中症対策
7月になったから、暑くなったから対策をするということでは遅すぎます。暑くなる前に十分な運動、活動をして体内の血流を良くし、汗を多くかき、それに見合う水分補給と休息をとることを習慣づけることが熱中症対策です。【暑熱順化(馴化)】
私たちの体は、体温を一定に保つために外の気温に応じてさまざまな働きをします。
体が快適に感じる気温には、幅があり28.5度~29度を中心に、上が31度、下は27度くらい。その時の皮膚は、血管を微妙に閉じたり開いたりを繰り返して体温調節を行っています。ところが、暑くなると血管を開いただけでは、体温の調整ができなくなります。このままでは体温が上がり危険…となる前に、
体に備わった冷却システム=”汗”が作動します。
汗は、蒸発するときに熱を奪って気化しますので、その分温度を下げることができるのです。汗の出る汗腺は、大人も子どもも同じ数です。汗腺には、汗を出す「能動汗腺」と汗を出さない「不能汗腺」があります。能動汗腺の数が多い方が、当然、体温調節機能が高いということになります。(日本人の能動汗腺数は約230万個と言われています。)
能動汗腺は、2~3歳までの間にどれくらい汗をかくかによって決まりますから、今の時期に汗を多くかくことが、能動汗腺を多く作ることになります。それは、子どもたちが将来、老年期になるまでを健康に過ごすための大きな力になると言われています。逆に汗腺が少ないと汗も出にくくなります。その結果、体外へ熱を出せないため真夏には熱中症になりやすくなります。暑いとエアコンに頼ってしまいがちです。エアコンによる調整は、対症療法と同じで、根本的な解決ではありません。冷房がよくきいていて汗もかかない環境は、私たち大人にとっては、快適な環境ですが、子どもたちにとっては、将来、後悔することになる良くない環境です。エアコンを使ってはいけないということではありません。
当園での空調は、体調の悪い場合や食事の時、午睡の時等、冷房機器を限定的に使用することにしております。体調の悪い子等のため、常時、医務コーナー、休憩室は空調して外気温より5℃くらい下げています。
12年前のあの大震災が、猛暑の続く今、おきたらどうでしょうか?停電が3日続いたらエアコンの生活に慣れてしまっている子どもたちは、大変な状況になることは容易に想像できます。